國乃長ビール 蔵ケルシュ【ビアログ078】

この記事は約3分で読めます。
ジョンソン
ジョンソン

・スッキリだけどしっかり旨い

・飲み疲れない

・幅広い料理に合う

私的分類「キレ」
うまみ■■■□□3
苦味■■□□□2
甘味■■□□□2 
ホップ香■■□□□2
炭酸■■■□□3
透明・金色
度数5%
原材料麦芽、ホップ
合う料理和食全般
IBU 

 ビール本来の味わいにこだわった麦芽100%の無濾過タイプ。ドイツの「ケルシュ」を基本にして、淡色麦芽と厳選したノーブルホップを使用。麦芽の旨味を生かしながらもキレのある味わいに仕上げ、香りは抑えて食事との相性の良いビールになっています。

容器の記述

感想

 美陵エールに続き大阪の地ビール、壽酒造さんの蔵ケルシュ。カエルさんマークの由来は「綺麗な水があるところ蛙あり」「美味い酒に変える」ということらしいです。

 壽酒造さんは江戸時代の末期、1822年創醸の日本酒の醸造家です。当時の高槻は「醸の国」と呼ばれるほど造り酒屋が軒を連ねていたそうです。知らんかった…

 由緒ある造り酒屋ですが、1995年の規制緩和でビール作りを開始。大阪初のクラフトビールだそうです。これも知らんかった…

 そのチャレンジ精神はサイトで紹介されているフィロソフィーからもうかがい知れます。時代とともに変化する嗜好を把握し、それを「酒という鏡に映し出す」のが職人技である、と。

 実際、酒粕を利用して焼酎を作ったり、麦汁を清酒酵母で発酵させてそこに純米酒を加えたりと、かなり型破りなことをやってのけています。

 それでも根底では、料理を引き立たせ、華を添える食中酒を重視しているそうです。特定の銘柄で、幅広い料理に合うものを打ち出す製造者は少なくないですが、銘柄を問わず醸造所の基本方針として打ち出しているのは初めて見ました。私のような料理重視の者にはありがたいですね。

 「ケルシュ」というのはドイツのケルン発祥の、ビアスタイルの一種。上面発酵の酵母を使いつつも、下面発酵並みの低温で醸造するそうです。味わいはエールよりもラガー寄りに感じましたので、酵母は種類よりも温度の方が味わいへの影響が大きいのかも。

 苦みが控え目でスッキリ味なのがケルシュの特徴らしいですが、このビールも例外ではありません。でもさり気なくしっかりとした旨味があります。日本酒造りにおいて米の旨味を重視するという壽酒造さんらしいですね。

 美陵エールに続けてこのビールを飲みましたが、全く飲み疲れませんでした。それほどスッキリしているけどしっかり旨いという絶妙なバランス。これもフィロソフィーに書いてありましたね。製造者の狙いや哲学を見事に体現しています。

 香りはホップよりも醸造香を強く感じます。やはりここは和食を合わせたいですね。煮物、揚げもの何でもござれ、です。

タイトルとURLをコピーしました