麒麟麦酒 スプリングバレー 豊潤496【ビアログ040】

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私的分類「キレ甘」
うまみ■■□□□2
苦味■■□□□2
甘味■■■■□4
ホップ香■■□□□2
炭酸■■■□□3
透明・琥珀
度数 6%
原材料 麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ
合う料理塩味の焼き物、酸味のあるもの
IBU

 麦芽1.5倍、口にひろがる麦のうまみと希少な日本産ホップならではの上品な香り。

 これぞ、クラフトビール。

容器の記述

感想

 「クラフトビール」に明確な定義はないらしいですが、小規模メーカーの製品という印象はあります。それをキリンのような大手が売り出しているとはこれいかに。

 スプリングバレーとは、ノルウェー系アメリカ人の醸造技師ウィリアム・コープランドが、明治時代の横浜に設立した醸造所の名前。それが麒麟麦酒の前身であり、なおかつ日本初の(商業的に成功した)ビール醸造所なのだそうです。キリンのルーツどころか日本のビールのルーツです。元祖クラフトビールとも言えるでしょう。

 私はてっきり「泉谷さん」が関わっているのかと思っていました(笑)。キリンが今なぜその名を持ち出すのか。当時の製法をなぞっているわけでもなさそうですが。

 このビールのコンセプトは公式サイトに明示されています。「ビール通をうならせ、ビールが苦手な人もおいしく飲める」。これってつまり「とりあえずビールじゃない人」がターゲットということじゃないでしょうか?「とりあえずビール」な人はラガーとか一番搾りなどの主力がすでに押さえている、と。

 一口にクラフトビールと言っても、その味わいは千差万別ですが、今までの主力ビールとは別物であると訴求するにはぴったりの言葉だったのではないでしょうか。

 で、実際の味わいですが、私にはかなり甘く感じられました。一番搾りのベースに、秋味の甘さを足したような。ビールの苦手な人対策がこの甘さでしょうか。例えばチューハイやハイボールを飲む人たちをこれで取り込めるか…。

 ビールの苦さが苦手でチューハイを飲んでるけど甘さがちょっと…な人とか、ハイボールよりもうちょっとコクや飲みごたえが欲しいな、という人はアリなのかも。

 一番搾り同様、ラガーの1.5倍の麦芽を使用しています。日本人好みのスッキリ味に仕上げるため、一番搾りは文字どおり一番麦汁だけ使いますが、こちらは液体(もろみ?)の温度を徐々に上げる「インフュージョン法」なる技を使うそうです。

 渋みの出ない範囲で焙煎した麦芽を加えているそうで、琥珀色に仕上がっています。主力ビールでは他社も含めこの濃い液色はないですね。

 ホップの使い方も独特で、7日間も漬け込む(ディップホップ製法)そうです。なんかめちゃくちゃ苦くなりそうですが、低温で漬けているのでしょうか、一番搾りと同程度の苦みです。ただ、程よく余韻がありますね。

 ホップにはIBUKIという日本産のものを使っているそうです。私はホップの香りというよりは酵母の香りのように感じたのですが、これがIBUKIの香りなのでしょうか?

 商戦略上の理由でクラフトビールを名乗っているかのように書きましたが、以上のとおり並々ならぬこだわりを持って作られています。

 構想10年、試験醸造250回。それが他のビールと比べてどうなのかは素人にはわかりませんが、相当な試行錯誤の上にこのビールが作られていることはわかります。ラガーや一番搾りで堅固に守りつつ、新たな顧客開拓に打って出たのがこのビールなのでしょう。

 私がこのビールといっしょに食べたのは、カマスの塩焼き、キャロットラペ、麻婆豆腐という無節操極まりないメニューでしたが、驚くことに全てに合いました。

 なんでもアリというわけではなくて、甘みの強いビールだから、塩味、酸味、辛味が合うのでしょうね。それでもこの間口の広さはさすが日本の大手ビールメーカーだなと思いました。

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