私は映画通でも何でもなくて、何気なくテレビで観た映画を含めても数百くらいしか観てませんが、これは映画史に残る名作ではないかと思います。
- 面白かったことを誰彼かまわず伝えたくなる
- 現実に興味がなくなる
という「名作映画の後遺症」を久々に感じました。
質実剛健なアクション、しっかりと一作目の延長線上にある主人公の行動理念と人間的成長、典型的ながらも十二分に魅力的な脇役、サラっと流して欲しいところはサラっと行く巧みなストーリー展開。
強いて挙げようにも欠点がない映画でしたが、それでも強いて挙げるならMX4Dの挙動が映像の迫力に追随できていないことでしょうか。もっとガツンと来いよ!と思うこと多々(そのうちUSJのアトラクションになるんじゃないかと期待)。あと、もっと長い期間上映していて欲しい(笑)
一作目をDVDで1回観ただけで特に思い入れがあったわけでもないのにこの有様なので、続編を待ちに待ったファンの感動たるや…
特に印象に残った場面を以下に記しておきます。とにかく吐き出したいのよこの感動を(笑)。
オープニング
正直、「アレ」に至るイントロがどんなだったかは覚えていませんでした。でも予感はありました。そして来る「アレ」。DangerZone。
ちょっとしたファンサービスなのかも知れませんが純粋に嬉しい。今思うと、観客に一作目を思い出させて、マーヴェリックの現在を想像させる時間だったのかも。
マッハ10
極超音速機ダークスターの試験飛行。ていうかエド・ハリス! ブラッカイマーと「ザ・ロック」の縁ですかね?音楽もハンス・ジマーで嬉しい。
オープニングで名前が出てびっくりしたけど「はい将軍役決定~」と脊髄反射。そしてやっぱり少将。ブラインドから漏れる光に照らされた深い皺が目に焼き付いています。ただ年を食うだけではこの存在感は出ませんわな。
ダークスター離陸の衝撃波を真正面から仁王立ちで受ける胆力。ただの口うるさい年寄りではないということですね。マーヴェリックをどやしつけながらトップガン行きを告げるという前作と同じ展開と、マーヴェリックの「マジかよ…」な表情にニヤニヤが止まらん。
マーヴェリックの別れ際の「それは今日ではありません。」に少将がごく一瞬だけニヤリとするのがすごく良い。
トップガンへ
カワサキのバイクで戦闘機と並走。これも前作をなぞってますね。もう満面の笑みでニッコニコ(笑)。この笑顔、このシーンに再会できて観客もニッコニコ。たぶんこの笑顔は演技ではなくトムの素ではなかろうか。
ヴァル・キルマーの名前も出ていたからワクワクしていたら大将て。いっしょに戦闘機で戦うことはないんだろうな、と予感。
That’s why you’re here.
この先もちょくちょくいいツボを突いてくるウォーロック登場。ひたすら実直。マーヴェリックが三度トップガンに招かれたのはセンチになったからではなく「命令だ」から。とは言いつつ親愛を感じさせる眼差しと声色がメチャクチャ良い。楠大典さん(ワイスピのドム役)だったのか!気付かんかった…
サイクロンの圧に押されて目を伏せるマーヴェリック。丸くなったというより弱くなった?前作なら慇懃無礼にSirと言いながら虚空に向けて「気をつけ」をしていたでしょう。
作戦の説明。前作はひたすらドッグファイト訓練しているイメージでしたが、今作はシミュレーション映像もあって目標が明確。観る側も共通認識を持てて良いですね。
ていうか初見でこんな具体的な作戦を立案できるもんなの?前作の机上訓練でチャーリーに天才と言わしめたのが伏線でしょうか。
邂逅
やたら親しげに話すペニーという女性。前作を復習せずに観たもんだから、「あれ?前作のヒロインてこんな人だっけ?」と変な混乱をしてしまった。前作では名前だけ会話に出ていたそうです。
現役トップガン登場。屈強な男達の中の屈強な紅一点フェニックスいいぞ~。ハングマンは典型的な自信過剰ヤナ奴。ルースターも登場するけど、この2人に若干食われ気味。
自信満々な若きトップガンたちがギラギラしてる一方、我らがマーヴェリックは高額請求に目をしぱしぱさせてるのがかわいいw。ペニーも単に高揚してただけなんでしょうけどね。
ルースターが『Great Balls of Fire』をピアノ演奏して熱唱。マーヴェリックはグースとの思い出がフラッシュバックしてフリーズ。音楽ってそれをよく聞いていた頃の記憶を呼び覚ましますよね…
いくらでも前例がある展開と演出なのに、こんなにキツいのはなぜだろう。前作でもグースの死はキツかった。お調子者の親友の死なんていくらでもある話なのに。口髭の、ちょっと抜けた感じのグースの風貌がそうさせるのでしょうか。カウボーイハットをかぶってピアノの上にちょこんと座った幼いルースターがいじらしくて、さらに切なくなる。
そんなマーヴェリックを尻目に大いに盛り上がる現役トップガンたち。若いって残酷。
テスト
敵方も第5世代戦闘機を運用していて、技術的優位性はない!と言い切るウォーロック。それどころかF-18ではむしろ劣勢。パイロットのスキルに自然と焦点を当てる上手い展開。最新兵器で無双するより断然好みですね。
現役トップガン相手に2対1で「かかってこい。」がカッケー。そしてキル量産。あぁカタルシス。並走する2機の死角を完全に把握し、そこから背面飛行でおもむろにルースターの上に出て圧倒的技量差を見せつける。これも前作であったシーンですね。
制限高度を切るわコブラやるわでサイクロン激おこ。サイクロンも頑迷ゆえに怒っているのではなく、パイロットの安全に配慮しているためです。それもトップガン育成のためにかけた莫大なコストだけを慮ってのことではないことも伝わります。
でも今やトップガンと言えども高高度爆撃ばかりやっていて、今回のミッションに必要なスキルは低いってんで、マーヴェリックは制限高度の解除をその場で申請します。わちゃ~…という表情のウォーロックw。サイクロンも激おこっちゃった直後にあいわかったとは言えませんわな。「君はタイミングというものを考えねばならんな」と教育的指導が入ります。
ミッション
地上30mでジグザグの渓谷を進み、急上昇→急降下→レーザー誘導爆撃×2→9Gに耐えながら急上昇→地対空ミサイルを気合で避ける→第5世代戦闘機が来る前に脱出、というもの。デススターの上級者コースみたいな。なるほど完璧な作戦っスね~(略)とでも言いたげな生徒たち。
まずは二分半で爆撃地点に到達するだけの訓練ですが、生徒たちはみんなキャラクターどおりのミスを犯してシミュレーション失敗。マーヴェリックは「なぜ死んだ」「遺族に説明できるか」を徹底的に問う。実際の軍の訓練がこうなのでしょう。間違いでもいいからWhyは当事者に突き詰めさせる。
無理ゲーでミスったあげく正論で粉砕された若者はブチ切れるしかなくなり(違)大乱闘。解散!
そんな状況を知ってか知らずかアイスマンから呼び出し。I’m not asking.
アイスマン
氷のように冷静なことから付けられたコールサイン(TACネーム)。前作のヴァル・キルマーはスーっと背が高く、コールサインどおりの空気をまとっていて、マーヴェリックと互いに引き立て合う存在でした。
写真とメールだけで、なかなか顔を出さないなと思ったら、末期がんで声も出ないのでした。
後で知ったのですが、これは役ではなく、ヴァル・キルマー自身が実際に患っていたそうです。かなりショックでしたが、本人はいたって元気そうで良かった。
仕事の話がしたいというアイスに対し、はじめはしぶっていたマーヴェリックですが、アイスとの対話で心情を吐露します。
「誰も死なせたくないんだ。オレに行かせてくれ。」
「あいつは準備ができていない。でも行かせなければオレを許さないだろう。どっちにしてもあいつを失う。」
「パイロットは自分の生き様だ。それをどう教える?教えられたとしても海軍もルースターもそれを望んでいない。どうすればいいんだ。」
この短い時間の2、3のセリフに、この物語と主人公のメインテーマが詰まっています。それほどのことを打ち明ける仲になっていたんですね、この2人は。涙をこらえながら告白するマーヴェリックに、こっちまで目頭が熱くなります。
今生の別れかもしれないという力のこもったハグ。どっちがいいパイロットだ?と聞くアイスに、「せっかくいい雰囲気なのに、ぶち壊したくない。」といたずらっぽく笑うトムの笑顔が本当に良い。
マーヴェリックは口に出しては言いませんでしたが、答えは初めから1つしかありません。若きトップガンたちを育て上げて勝利する。
Break
アイスマンと対話して何かが吹っ切れたのか、生徒たちを連れ出してビーチでフットボール。この映画で一つだけ気に食わねぇのは、水着姿のフェニックスの全身ショットがねぇことだ、とポルコが言ってましたよ(嘘)。
前作でも夕焼けにビーチバレーのシーンが印象的でした。あのハイタッチを一度はやってみたいけど、その機会も相手もいねぇ。
ペニーとのラブシーンは正直う~ん…と思ったけど、さっと終わってくれて良かった。窓からしめしめと脱出したところを娘に目撃されるというお約束の展開w。劇場にあふれる失笑。ここはウォーロックの助言を聞いてみたいところです(よせ)。それと、マーヴェリックが窓から飛び降りてズッコケるとこまで振動せんでええよMX4D。
急転
ならず者国家のウラン濃縮プラントの稼働が早まり、訓練期間はあと1週間に。誰ひとり目標地点に二分半で到達できずにいる中、更なる無理ゲー要素が生徒たちを襲う。
山越えのGで判断力が低下した状態で、たった3m幅のターゲットに手動でレーザー誘導爆撃を2発キメるというもの。
4機飛ばすなら複座4機にして4回チャンスにすればいいのに。何か制約があるんですかね。
コヨーテはGロックで、フェニックスとボブはバードストライクで死にかけて、ルースターは一気にナーバスに。
フォローに来たマーヴェリックに対し、奧さんも子供もいないから気楽でいいよな、と言い放ちます。バッ、おまっ、私がその場にいたら蹴っ飛ばしてます。親の心子知らずとはこのこと。
ここで我らがウォーロックさん登場。的確なアドバイスをくれるのかと思いきや…
アイスマン逝く
最大の後ろ盾を失い、訓練の経過も芳しくないマーヴェリックは教官の任を解かれました。途方にくれるマーヴェリックにペニーがかけた言葉。
「彼らに何かあったら、あなたは一生自分を許すことができなくなる。」
任務からの解放は、必ずしも責任からの解放を意味するとは限らないんですね。
アイスマンもそうでしたが、誰も死なせたくないと言うマーヴェリックを誰1人として否定しません。戦争ものに限らずあらゆるフィクションでは「甘ったれるんじゃねぇ!」と活を入れられるまでがセットですが。
これはウエットな要素もあるのでしょうが、戦場に立つその時までは、死の可能性は徹底的に排除するというドライな要素もあるんじゃないでしょうか。
そしてペニーには「空に戻るのよ」と再起を促されます。
再び空へ
サイクロンが教官になり、何をするかと思いきや、制限時間を伸ばし、高度も上げるというものでした。…無理ゲーが死にゲーになっただけでした\(^o^)/
第5世代戦闘機に追いつかれたらどうすんのよ?という当然の疑問にも、崖相手よりは勝ち目あんだろぁ?などとほざきます。
サイクロンのご乱心に顔を見合わせるしかない生徒たち。その時シミュレーション画面に機影が。…マーヴェリック!
マ:進入許可を求める。
管:大佐のスケジュールはありません。
マ:…とにかく進入。
じゃあ聞くなよ。(笑)
なんか往年の強引さが出てきました。しかも制限時間はより厳しい2分15秒にセット。
この映画のフライトシーンはどれもスゴいですが、私はここからのマーヴェリックの単独フライトが一番好きです。何というか、重厚なのです。
操縦桿をギュイ!とやるとドウン!てなるのがカッコいいんです!(語彙力)ワイスピでもクラッチをズコッて踏んでシフトレバーをゴクッとする(語彙力)ところが好きですから当然です。Gに耐える表情がスゴいし、息遣いもスゴい。ジグザグの渓谷を曲がる度に側転しまくるのをパイロットの後部から撮る映像もスゴい(語彙力)。
私が語彙力を失っている隙に爆撃地点に到達。単座なのでレーザー誘導も1人でやります。ていうか通り過ぎてからもレーザー照射せなあかんの?9Gでブラックアウト寸前になりながらスティック操作。つくづく無理ゲー。複座の必要性が実感できますね。
山越え→ミサイル発射→レーザー誘導のBGMの盛り上がりもヤバイ。そして直撃。生徒たち総立ち、ハングマン脱帽。ウォーロックのさり気ないガッツポーズが熱い。マスクを外しハァッと息をつくマーヴェリック。カッケーわ。
このフライトだけMX4Dで毎週観たい。そんなサブスクないかなぁ(ない)。
やはり成功事例を具体的に見せて、イメージを湧かさせるってのは大事ですよね。
メンツ丸つぶれのサイクロンからお呼び出し。機体の許容限界7.5Gを超えてしまったので、もう実戦に使えなくなったとのこと。どんな疲労が蓄積してるかわからないからでしょうね。6,600万ドルがほぼパー。
でも、不名誉除隊にするか、キャリアをかけてマーヴェリックを編隊長にするか、とつぶやく。
ちょ待っ、と言いかけたマーヴェリックを遮るウォーロック。「今のは答える必要のない質問だ」って。ウォーロックはチュートリアルの妖精か何かなの?この2人のやり取りがギャグに見えてきたw。
出陣
ハングマンは外されたけど、ある意味、見せ場が用意されるのが確定した場面でもある。ルースターが選ばれた理由を説明する描写はありませんでした。ハングマンは度胸はあってもチームプレイには向かないということでしょうか。
空母の格納庫で海を見つめるマーヴェリック。モノクロの後ろ姿から、彼が背負っている重責が伝わってきます。作戦を成功させ、全員(少なくとも自分以外)を生還させる。
編隊の隊員たちはまだ「生徒」の域を出ていません。背中を預けられる仲間ではなく庇護の対象です。チームの中にあってもやはり一匹狼(maverick)なのでした。独断専行ゆえのmaverickだった前作から変化しています。
その後ろ姿を眩しそうに見つめ、「これはきみの天職だ」と激励するウォーロック。
エレベーターでF-18とともに上昇。ここがまたカッコいい。マシンと人のウエットな関係が描かれる作品ではないけど、「相棒」という感じがする。他のパイロットたち以上に。
グース亡き今、共に飛ぶのは仲間より前に戦闘機なのでしょう。海を見つめながら「やるぞグース」とつぶやくのはそういうことではないでしょうか。
そして私が一番泣きそうになったのがホンドーとのやりとり。いつもの「その顔は好きじゃない」をタメ口でやった後、
「もう会えないかも知れない。世話になった。」
「光栄です、大佐。」
もう会えないかも知れないと言われた相手に何を伝えるか。むき出しの本心しかないでしょう。いつもは階級差を気にせずタメ口をきくホンドーから出た真っ直ぐな敬愛。このやり取りは字幕より吹替のほうが断然良かったですね。
ダガーズ
空母からの離陸はノーカットでコックピット正面からの映像。どこまでも質実剛健。昔はこういう局地の映像は、通常の映像より劣るものでしたが、鮮明です。一瞬の違和感もなく、臨場感の邪魔をしません。
マーヴェリックに続き離陸する編隊(ダガーズ)。
敵の滑走路はトマホークで叩くけど、離陸済みの戦闘機はドッグファイトするしかないと。なるほど。
マーヴェリックの合図でトマホーク発射。コックピットから飛翔するトマホークの一群が見える。なんかスゲェ映像。でもトマホークはあの高度で飛んでたら地対空ミサイルに落とされるんじゃないだろうか?
渓谷に入るため高度を下げると、空母のレーダーからは水平線の影に入ってしまうので、途中からは上空の早期警戒機からの情報に切り替わる。このレーダー手(コマンチ)の吹替版の声が、ひんやり瑞々しくてイイんですよ。誰でしょう?
2:30
渓谷に入り二分半のカウント開始。稜線に並ぶ地対空ミサイルが怖い。狙われたらお終いという無言の圧力がある。編隊を組んで衝撃波をまといながら渓谷を飛ぶF-18が本当にカッコいい。
やはりルースターが遅れていくが、マーヴェリックの「考えるな!動け!」(Don’t think! just do it!)で覚醒して加速(スパロボかよ)。基本、慎重すぎるくらいだけど、いざ本番となれば割り切れるタイプなんでしょうね。
いよいよ爆撃地点に突入。稜線を越えたらいったん背面飛行して地を這います。
ボブがレーザー誘導。なんかキャラ変わってない?やけに威勢が良いのだが。レーザー握ると(?)人格変わるタイプなのか?
ボブがブラックアウトに耐えて執念の直撃。ホンドーのガッツポーズが謎フォームで笑えるw。
ルースター組もレーザー照射器がR2-D2のアタマみたいにグルグルしながらも直撃。地面が盛り上がるほどの大爆発でウラン濃縮プラントは木っ端微塵に。yeahhhhhh!な司令室。
個人的にツボだったのはハングマンのガッツポーズ。1度目は純粋な喜び、カメラを引いての2度目は「オレもそこに居たかった!」の悔しさが出ていて、なんかいじらしかった。ハングマンの好感度爆上げ。おい早く活躍させてくれ~
脱出
破壊は大成功、でも9Gに耐えて山を越えたら、そこは地対空ミサイルのテリトリー。容赦なくぶっ放されるミサイルにダガーズ大混乱。なにがヤバいって、BGMがヤバい。いかにも誰か死にそうなメロディ。やめてくれ~
フレアが尽きたルースターをマーヴェリックが後方から覆い被さるようにしてフレア。この展開のアイデアがすげぇ。戦闘機の挙動なのになぜか父性を感じる。
欺瞞しきれなかったミサイルがマーヴェリック機に直撃してあえなく墜落。
すぐさま発進許可を求めるハングマンが熱い。やっぱ動ける奴なのよね。そんなハングマンが「ダガー・スペア」というポジションに甘んじているのがちょっとかわいそう。
当然のごとくサイクロンは不許可。こんな無理ゲーを老兵ひとりの犠牲で遂行できたのなら、それは大成功と言えるでしょう。救助のために兵を危険に晒すべきではありません。サイクロンは教官としてはアレですが、指揮官としてはちゃんと冷徹な判断ができています。
死亡エンドも十分あり得るので、え~…と思っていたら、どっこい生存。
でもどっこいトドメを刺しにきた攻撃ヘリを、さらにどっこい撃墜するルースター。そのルースターもどっこい(うるさい)撃墜されます。
命令違反してまで助けに来たルースターは往年のマーヴェリック的ですよね。一皮剥けば似たもの同士だったということでしょうか。2人とも近しい者の死が本能レベルで許せないだけか。
死闘
トマホークでボコボコになった滑走路(誘導路?)の際にあるトムキャットを奪うことを画策する二匹。ここでドンパチやったりして時間をかけないで欲しいな~、と思ったらサラっと奪取。本当にこの映画は緩急が巧みです。
空母に連絡するために無線を起動させようにも旧世代すぎてルースターにはさっぱり。それでも「それはお前の親父の仕事だ」と言われたら頑張りますよね。
無線の復旧にいそしむ中、第5世代戦闘機が追跡してきていることに気付き青ざめるルースター。
F-18でも勝ち目がないと散々言われてきたのに、こっちはさらに古いF-14。しかも相手は2機。無理ゲーのおかわりが来てしまい\(^q^)/なルースター。
それでもマーヴェリックは味方と思わせるために落ち着いてハンドサイン。さすが百戦錬磨と思ったら「さっぱりわからん」で吹き出してしまった。
無意識にルースターを心配して脱出しろと言いますが、あんた1人なら戦うだろ、「考えるな、動け!」とルースターに発破をかけられます。
ここで腹をくくるトムの表情がまさしく狼。隣を飛ぶ第5世代戦闘機を急旋回ゼロ距離機銃で強襲。必死かつ合理的で熱いし、墜落する敵機を盾にして後続機のミサイルを防ぐのもクソ熱い。敵のミサイルをいかに魅せる方法で回避させるか、シナリオは悩んだでしょうね。
その後の「スプリットスロットル!」もなんかわからんがカッケー。観客が置いてけぼりになる専門用語は嫌いですが、これはなんか必殺技みたいでカッコいい。マイク逃げて。
必殺スプリットスロットルで背後をとり、起死回生のミサイル発射。ところが敵も同じような必殺技でミサイルを物理的に回避。そんなんアリかよ。ルースターが「なんだ今の離れ業、スゲェな!」て普通に感心してて笑った。
再び背後をとられ窮地に。敵の照準システムを攪乱するために渓谷に逃げ込む。
機銃でバリバリ撃たれるも、必殺コブラ機動で一瞬無重力になるほどの急上昇→急降下で再び背後をとりミサイル発射。フレアで回避されるもラスト33発の機銃で撃墜。
前から疑問に思ってたけど、なんで戦闘機って後ろ向きの攻撃手段がないんでしょう?
なんとか洋上に出て、レーダー復旧わ~いと思ったらほぼ同時にロックオン警報。真正面からミサイル!虎の子のフレアでギリギリ回避するも、もう弾薬が尽きて逃げるしかないF-14。
機銃で撃たれまくるわ脱出装置は作動しないわでもうダメだ~!ってところでようやくハングマン登場。発射直後のミサイルごと敵機撃破。調子ノリノリでもはや清々しい。「調子いいぞ~」って自分で言っちゃってるしw。良かったなぁハングマン!
生還
空母に仲良く帰投。トムキャットが空母の直近を通過するときにサイクロンがコーヒーこぼしたらギャグ的には最高なんだがなw
喜ぶトップガンたち。一時は諦めた全員生還が叶ったのですからひとしおでしょう。再会を喜ぶホンドー。我らがウォーロックも大喜び。サイクロンには敬礼。これは100%感謝の敬礼ですね。
マーヴェリックとルースターのハグが良い。前作のラストでアイスマンにした「拳ハグ」。グースの忘れ形見と戦い抜き、若い世代にも絆が芽生え、なんとも爽快な大団円でした。
エンディングのキャスト紹介の映像は、ビーチでフットボールに興じるマーヴェリック。夕日に照らされた満面の笑顔をここに持ってくるのがニクい。本当に魅力的なキャラクターに成長しました。続編でここまで魅力的に昇華されたキャラクターを私は知りません。トップガンという作品そのものほど、マーヴェリックというキャラクターの知名度は高くなかったように思いますが、トップガン=マーヴェリックとして並び立つようになったと思います。
スリリングなアクションが注目されがちなトム・クルーズですが、アイスマンとの語らいなど、演技もめちゃくちゃ良かったです。
そして骨太ながらもエンターテインメントの範疇を逸脱しない絶妙な匙加減のアクション。
前作以上に沢山の人や作品に影響を与えそうです。本当に素晴らしい映画でした。